ファセットとは?歯科でいう歯のすり減った面の意味と、歯ぎしりとの関係

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歯のすり減った面ファセットとは?

歯科でいう「ファセット」とは、上の歯と下の歯がこすれ合ってできた、歯のすり減った平らな面のことです。咬合小面(こうごうしょうめん)とも呼ばれます。年齢とともに少しずつできるものもあれば、歯ぎしりや食いしばりで強い力がかかり続けてできるものもあります。ファセットがあると言われても、それだけで、すぐに治療が必要になるとは限りません。冷たいものがしみる、歯が欠けた、朝起きるとあごがだるいといったことがあれば、すり減り方と力のかかり方を、歯科医院で一緒に確かめましょう。

先生のひとこと

「昔は噛み合わせが悪いからでしょうとか、ま、言われてた時もあるんですけど、その辺はもうあんまり関係ないっていう最近は、ま、言われてるんですけども。」

理事長 加藤直之のYouTubeの動画(2025年4月22日公開・1分0秒ごろ)より

歯科でいう「ファセット」とは、どんな意味ですか?

ファセット(英語で facet)は、もともと、宝石をカットしたときにできる小さな平らな面を指す言葉です。歯科では、上下の歯が噛み合ったり、こすれ合ったりして、歯の表面の一部がすり減ってできた平らな面のことをいいます。

咬合小面(こうごうしょうめん)とも呼ばれ、歯がすり減ること(咬耗〔こうもう〕)と同じように扱われることもあります。上下の歯が強く当たる歯に見られることが多いものです。

ファセットは、どうしてできるのですか?

歯は、毎日の食事で使っているうちに、わずかずつすり減っていきます。年齢とともに歯の表面に少しずつ平らな面ができるのは、そのためです。

もう一つの大きな理由が、歯ぎしりや食いしばりです。専門の言葉では、まとめて「ブラキシズム」と呼びます。日本歯科医師会の解説では、上下の歯を横にこすり合わせる「グラインディング」(いわゆる歯ぎしり)、カチカチと噛み合わせる「タッピング」、ぐっと噛みしめる「クレンチング」(食いしばり)に分けていて、寝ている間に起こるものと、起きている間に起こるものがあります。

歯ぎしりや食いしばりが起こる理由は、一つではありません。同じ解説では、ストレスのほか、飲酒、喫煙、一部の薬、睡眠の病気などが関わると報告されていて、噛み合わせの悪さが原因だという根拠は示されていない、とされています。

歯ぎしりや食いしばりは、自分で気づけますか?

寝ている間の歯ぎしりは、本人は気づきにくいものです。音のしない歯ぎしりも多いといわれています。次のようなことがきっかけで気づく方がよくいらっしゃいます。

  • 家族に、寝ているときの歯ぎしりの音を言われた
  • 朝起きると、あごがだるい・疲れている
  • 仕事や家事の合間に、気づくと歯をかみしめている
  • 歯のすり減りや欠けを、歯科医院で言われた

歯ぎしりや食いしばりは、自分で気づけますか?

上下の歯は、ふだんは少し離れているのが自然です。日本歯科医師会の解説では、上下の歯が触れている時間は、1日に合わせて20分ほどとされています。何もしていないときに上下の歯が触れているなら、その癖(上下歯列接触癖)があるかもしれません。

歯科医院では、歯のすり減り方のほか、朝起きたときのあごの筋肉の疲れや痛み、噛みしめたときの頬のあたりの筋肉の張りなども手がかりにします。ただし、すり減った面は前の歯ぎしりの跡のこともあり、今も歯ぎしりをしているとは限りません。

ファセットがあると、どんな困りごとが起きますか?

すり減りが進んで、歯の表面のエナメル質がなくなると、内側の象牙質が出てきます。象牙質は刺激を歯の神経に伝えやすいため、冷たいものがしみることがあります。ただ、大きくすり減ってもしみない方もいれば、少しすり減っただけでしみる方もいます。

強い力がかかり続けると、歯にひびが入ったり、欠けたり、割れたりすることがあります。詰め物や被せ物にも、同じように強い力がかかります。歯が欠けたときの対処は、歯が欠けた・割れたときの対処を説明した記事でお伝えしています。

歯ぎしりや食いしばりは、あごの関節や筋肉にも負担をかけ、顎関節症の原因の一つと考えられています。

ファセットがあると言われたら、治療が必要ですか?

すり減った面があるというだけで、すぐに削ったり詰めたりする治療が必要になるとは限りません。日本歯科医師会の解説でも、歯ぎしりは、それによって困りごとが起きていなければ、異常とは考えないとされています。

歯科医院では、しみる症状がないか、歯にひびや欠けがないか、すり減りが進んでいないか、あごの痛みや口の開けにくさがないかを確かめたうえで、次のようなことを相談します。

  • しみるとき:しみる所に薬を塗ったり、薄い膜で覆ったりする
  • すり減って凹んでいたり、欠けたりしているとき:形を補うように詰める
  • 歯ぎしりや食いしばりで強い力がかかり続けているとき:寝るときのマウスピースで歯を守る

今あるすり減りへの対処だけでなく、これ以上すり減らさないために何ができるかも、一緒に考えていきます。

寝るときのマウスピースは、どんなものですか?

歯ぎしりや食いしばりから歯を守るために、寝ている間に着けるマウスピースです。ナイトガードやスプリントとも呼ばれます。お口の型を取って、一人ひとりの歯の形に合わせて作ります。

歯の代わりにマウスピースがすり減ることで、歯や詰め物・被せ物を守ります。日本歯科医師会の解説では、寝ている間にあごの関節にかかる負担を減らせる可能性もあるとされています。

ただし、マウスピースは、歯ぎしりや食いしばりそのものを止める治療ではありません。同じ解説でも、すべての方に効くわけではなく、歯ぎしりを抑える働きは長く続かないとされています。マウスピースは、歯を守るための道具と考えてください。

使い始めは、違和感で眠りにくく感じることがありますが、1〜2週間ほど使ううちに慣れていく方が多いです。マウスピースも少しずつすり減るので、穴があいたら作り直しが必要です。どのくらい持つかは、力のかかり方によって人それぞれです。マウスピースの使い方は、歯ぎしり・食いしばり対策のナイトガードを説明した記事でもお伝えしています。

当院では、歯ぎしりや食いしばりのためのマウスピースを、保険の治療として作れる場合があります。保険が使えるかどうかと費用は、診察のあとでご説明します。保険の治療と自由診療の違いは、自由診療と保険診療の違いのページにまとめています。

日中の食いしばりに気づいたら、どうすればよいですか?

起きている間の食いしばりや、上下の歯を触れさせ続ける癖は、歯科医院で説明を受けたうえで、自分で気づいて直していくことができると考えられています。気づいたときに、上下の歯を離して、口のまわりやあごの力を抜いてください。

あごに負担をかける癖は、自分で気づいて、意識してやめていくことが大切です。運動や散歩などで気分を切り替える時間を作ることも、よいと考えています。

あごが痛い・口が開きにくいときも、相談できますか?

当院では、顎関節症の相談にも対応しています。症状の重さに合わせて、あごの体操、痛み止めのお薬、寝るときのマウスピースを使い分けます。マウスピースを何週間か続けてもよくならないときは、関節の治療を行っている病院を紹介することもあります。

羽曳野院でファセットや歯ぎしりを相談するには?

加藤総合歯科・矯正歯科(羽曳野本院)は、大阪府羽曳野市白鳥2-16-34にあり、近鉄古市駅から徒歩3分です。ご予約はお電話(072-957-2686)で承っています。初めての方はWEB初診予約も利用できます。

「ファセットがあると言われた」「家族に歯ぎしりを言われた」など、気になったきっかけをそのまま伝えてください。説明の中で分からない言葉があれば、その場で何度でも聞いてください。所在地と来院の方法は、アクセスのページをご覧ください。

歯ぎしり・食いしばりの種類、診断の手がかり、マウスピースの働き:日本歯科医師会「歯ぎしり」と「歯ぎしり(睡眠時ブラキシズム・覚醒時ブラキシズム)」。歯のすり減りとしみる症状、その処置:日本歯科医師会「知覚過敏」。顎関節症の治療の進め方、音のしない歯ぎしり、あごの癖をやめることの大切さ:当院の顎関節症のページ。マウスピースの作り方・慣れ方・作り直し・保険:当院の記事「歯ぎしり・食いしばり対策のナイトガードについて」。歯ぎしりに気づくきっかけ:当院の記事「歯ぎしり・食いしばりについて」。(どれも2026年10月16日確認)

  • 監修: 加藤 直之(歯科医師/医療法人えみは会 理事長)|最終確認日: 2026-10-17

この記事の監修

加藤 直之

大阪の羽曳野市にある加藤総合歯科・矯正歯科、加藤です。 当院は、歯医者さんの「痛い・怖い・行きたくない」というイメージをなくし、患者様が悩みを相談できてリラックスした状態で治療ができるそんな医院を目指し運営しております。

資格・所属

NPO法人日本歯科予防協会理事/ISOI インプラント認定医/ドライマウス認定医/日本ドライマウス学会会員/日本抗加齢医学会会員/医療情報技師認定証/ITIインプラント認定/AQBインプラント認定/ザイブインプラント認定/POIインプラント認定/インプラント学会 所属ブローネマルクインプラント認定/SARGONインプラント認定/審美歯科学会認証