矯正中はにおいが出やすい?装置まわりの汚れと毎日の手入れ(大阪・羽曳野)

矯正の装置をつけてから、口のにおいが気になるようになった。器具のまわりに食べかすが残る感じがする。歯みがきの時間は増えたのに、すっきりしない。装置の使用中に、こうした点が気になることがあります。
においの出どころは一つではありません。歯や歯ぐきの状態、舌の汚れ、口の渇きなど、いくつかの背景が重なります。装置がついていると、汚れのたまりやすい場所が増え、歯ブラシの毛先が届きにくい部分も生まれます。そのため「装置のせい」と決めつけるのではなく、どこに汚れが残っているのかを確かめることが出発点になります。
ここでは、装置まわりの清掃とにおいの関係について、一般的な考え方を説明します。装置の種類や口の状態によって必要な手入れは変わります。実際にどうするかは、診察で口の中を確かめたうえで歯科医師や歯科衛生士と相談してください。
装置をつけると、においは出やすくなりますか?

装置そのものがにおいを出すというより、装置のまわりに汚れが残りやすくなることが関わると考えられます。歯の表面に器具がついていれば、その周囲や隙間に食べかすやプラーク(歯垢)がとどまりやすくなります。
プラークは細菌のかたまりで、歯ぐきの炎症や口のにおいに関わることが知られています。同じ歯みがきをしていても、装置の分だけ磨き残しが増えれば、残った汚れの量は変わります。
一方で、装置をつけていれば、においが強くなると決まっているわけでもありません。手入れの方法が口の状態に合っていれば、汚れの残り方は変わります。気になるときは、においの強さを自分で判定しようとするより、どこが磨けていないかを見てもらう方が近道です。
歯みがきをしていてもにおいが気になる場合の考え方は、歯みがきをしても口臭が消えないときの切り分けで説明しています。
装置のまわりは、どこに汚れがたまりますか?
たまりやすいのは、器具と歯の境目、器具の下側、歯と歯ぐきの境目、そして歯と歯の間です。いずれも歯ブラシの毛先がまっすぐ当たりにくい場所です。
鏡で見える範囲は自分でも確認できますが、奥歯の内側や歯の裏側は見えにくく、磨けているかどうかの判断が難しくなります。明るい場所で鏡を使い、頬を軽く広げて見ると確認しやすくなります。舌で触れてざらつきを感じる場所があれば、その位置を覚えておき、受診時に伝えてください。
取り外しができる装置を使っている場合は、装置そのものの清掃も必要になります。装置の洗い方は種類によって異なるため、自己流で熱い湯につけたり研磨剤でこすったりせず、渡されたときの説明に従ってください。分からなくなったら聞き直して構いません。
毎日の手入れは、何をすればよいですか?
基本は、歯ブラシに加えて歯と歯の間の清掃を組み合わせることです。歯間ブラシやフロスなど、どの道具がどの場所に合うかは口の状態によって変わります。
装置がついていると、通常のフロスが通しにくい部分が出てきます。その場合に何を使うか、どの順番で行うかは、診察で実際に見てもらいながら決めることをおすすめします。道具の名前を覚えることより、自分のどこに何を使うかが分かっている状態を目指します。
つまようじのような硬く尖ったもので隙間をつつく方法は勧められません。歯ぐきを傷めるうえ、隙間の汚れも十分には取り除けないと考えられるためです。においが気になるからと力を入れてこするのも避けてください。強い力で磨いても汚れが落ちるとは限らず、歯ぐきを下げる原因になることがあります。歯ぐきに炎症が起きると、かえってにおいの背景が増えることがあります。
舌の手入れも必要ですか?
舌の汚れ(舌苔)は、においのもとになるガスがつくられる場所として知られています。装置の有無にかかわらず、舌の状態は口のにおいに関わります。
ただし、白く見えるからといってすべてが異常というわけではありません。強くこすって傷つけると痛みが出ることもあります。必要かどうか、どの程度行うかは、舌の状態を見てもらってから判断してください。
舌の清掃の考え方は、舌みがきをした方がよいかどうかで詳しく説明しています。
装置をつけてから歯ぐきの出血が増えた気がします。どうすればよいですか?
歯ぐきからの出血は、炎症が起きているときに見られることがあります。汚れが残っている場所では歯ぐきが腫れやすくなり、歯ブラシが当たったときに出血することがあります。
出血があると、その場所を避けて磨きたくなります。しかし避け続ければ汚れは残り続けます。痛みや出血が続くときは、自己判断で清掃をやめるのではなく、受診して状態を確かめてください。磨き方を変えるのか、別の対応が必要なのかは、歯ぐきを見て判断します。
口が渇くと、においに影響しますか?
口の渇きは、においに関わる背景の一つとして知られています。唾液の量や、噛む・飲み込むといった動きは、口の中の汚れのたまり方と関係すると考えられています。
装置に慣れるまで話しづらい、口を開けている時間が長い、といったことが重なると、渇きを感じやすくなる場合もあります。朝だけなのか、日中も続くのか、食事のときにも気になるのか。気づいた場面を受診時に伝えてください。
食べたものでにおいが変わることもありますか?
にんにくやねぎなどを食べたあと、一時的ににおいを感じることがあります。こうした一過性のにおいは、装置の有無にかかわらず起こります。
装置がついていると、食べたものが器具に残りやすく、口の中にとどまる時間が長くなることがあります。食後にうがいをする、通院日の前に食べるものを考えておく、といった工夫で気になり方が変わる場合もあります。
一方で、食事のあとだけでなく一日を通して気になる状態が続くときは、食べたものだけでは説明しにくくなります。いつ気になるのかを分けて考えると、相談するときに伝えやすくなります。
マウスウォッシュを使えば、においは抑えられますか?
洗口液や口臭対策をうたう市販品は、使った直後の感じ方を変えることがあります。ただし、汚れが残っている状態を置き換えるものではありません。
装置のまわりに残ったプラークは歯の面に付着しているため、うがいだけでは十分に取り除けないと考えられています。まずは歯ブラシと歯間清掃で汚れを落とし、そのうえで補助的に何を使うかを相談する、という順序になります。
使っている市販品があれば、受診時にそのことも伝えてください。使い方によっては刺激を感じる場合もあるため、続けてよいかどうかを含めて確認できます。
装置がついている間の定期的な通院では、何を見てもらえますか?
装置を使っている期間は、調整のために通院する機会があります。その際に、歯ぐきの状態や汚れの残り方も確認できます。
磨けていない場所が分かれば、その場所に合わせて道具や当て方を調整します。必要に応じて、器具のまわりの清掃を歯科で行うこともあります。自分では届かない部分があると分かっているなら、そのことを先に伝えてください。
歯石がついている場合は、取り除く処置が必要になることがあります。歯石を自分で取ろうとすると歯ぐきを傷めるおそれがあるため、歯科で相談してください。歯石とにおいの関係については、歯石と口臭の関わりでも説明しています。
家族に指摘されて気になっています。どう受け止めればよいですか?
自分の口のにおいは、自分では気づきにくいものです。そのため、家族やまわりの方からの指摘で気になり始める方もいます。
指摘されるとショックを感じることもありますが、身近な人だからこそ伝えてもらえた、と受け止めていただければと思います。装置をつけている時期は手入れの方法が変わるタイミングでもあり、見直すきっかけになります。
逆に、まわりから何も言われていないのに気になって仕方がない、という場合もあります。そのときも、まず口の中の状態を確かめるところから始めてください。気になる状態が続くこと自体を相談していただいて構いません。
受診の目安は、どのあたりですか?
次のようなときは、定期の通院とは別に相談してください。
- 歯ぐきの腫れや出血が続く、痛みがある
- 装置のまわりに汚れが残っている感じが取れない
- 自分では磨けていない場所が分かっている
- においが気になる状態が続き、生活のなかで気になる場面がある
矯正の装置をつけている期間は、通院の機会があります。その場で「においが気になる」と伝えるだけで構いません。原因を自分で言い当てる必要はありません。
加藤総合歯科・矯正歯科は、大阪府羽曳野市白鳥2-16-34にあります。電話番号は 072-957-2686 です。口のにおいについてのご相談も承っています。装置を使っている方は、通院時に清掃の状態を一緒に確認できます。どこから相談すればよいか分からないときは、通院時に一言お伝えいただければ十分です。
関連動画
- ABC放送「きょうの深掘り」出演回(監修者 加藤直之)
番組タイトル:「口臭の原因は9割が“細菌” その対策は? よく聞く“臭い玉”の対処法も【きょうの深掘り】」
https://youtu.be/F7qfA6BekQE
- 監修: 加藤 直之(歯科医師/医療法人えみは会 理事長)|最終確認日: 2026-09-27


