糖尿病の治療中でもインプラントは相談できる?受診前にそろえたい情報(大阪・羽曳野)
「糖尿病の治療を受けているから、インプラントは無理だろう」と、相談する前にあきらめてしまう方がいます。結論から言うと、糖尿病という病名だけで、インプラントを受けられるかどうかが決まるわけではありません。今の血糖の状態、お口の状態、手術の内容を確かめ、必要に応じて主治医と相談しながら考えていきます。
この記事では、羽曳野の加藤総合歯科・矯正歯科(以下、当院)へ相談する前にそろえておきたい情報と、主治医に伝えておきたいこと、手術の前後で気をつけたいことをまとめました。受けられるかどうかは診察と検査のあとに判断しますが、相談の前に知っておくと話を進めやすいことばかりです。

糖尿病があると、インプラントはできないのですか?
一律にできないわけではありません。日本口腔インプラント学会は一般向けのよくある質問の中で、インプラント治療は手術を伴うため、糖尿病などの病気がある場合には注意が必要だとしています。服用している薬によっては、インプラント治療が適さないこともあるとされ、担当の歯科医師から体の状態や薬について聞かれたときは、正確に答えてほしいと書かれています。
日本歯周病学会の「糖尿病患者に対する歯周治療ガイドライン(改訂第3版)」は、血糖のコントロールが良好な糖尿病の方には、インプラント治療を弱く推奨するとしています(根拠の確実性は「低」とされています)。一方で、コントロールが良くない場合には、傷の治りや感染しやすさの点から、手術のように体を傷つける処置は避けるべきだとしています。
病名だけでなく、今の血糖がどのくらい整っているかが、考える材料の一つになるということです。
血糖の値で、受けられるかどうかが決まるのですか?
同じガイドラインでは、血糖の状態を示す検査の値(HbA1c)が7%程度までにコントロールされている場合には、インプラント治療を妨げるものではないとしています。ただし、糖尿病のある方では、インプラントの周りの骨がやせる量が増えることが予測されるとも書かれています。
この値は、ガイドラインが示した目安の一つです。数値だけを見て「自分は受けられる」「受けられない」と決めず、お口の状態や手術の内容、ほかの病気も合わせて考えます。当院の案内でも、手術の前の採血などの検査で気になる点があった方や、重度の糖尿病など内科の病気がある方は、主治医と相談させていただくことがあるとしています。
相談の前に、何をそろえておくとよいですか?
初めて相談するときは、次の四つがあると話を進めやすくなります。
- 飲み薬と注射の薬がわかるお薬手帳
- 最近受けた血液検査の結果
- 糖尿病を診てもらっている医療機関の名前
- 歯ぐきの出血など、お口で気になること

お薬手帳は、使っている薬を一つずつ確かめるために使います。インスリンなどの注射の薬も、飲み薬と同じように伝えてください。糖尿病のほかに治療中の病気や、これまでに受けた手術があれば、それもあわせてお知らせください。血液検査の結果は、内科で受けたものでも参考になります。ただ、手術の前に確かめたい項目が載っていないときは、改めて採血などの検査をお願いすることがあります。
全部そろっていなくても、相談はできます。分かっていることから伝えてください。
主治医には、何を伝えておくとよいですか?
糖尿病を診てもらっている先生には、歯科でインプラントの相談をしていることを伝えておいてください。「歯を失ったところにインプラントを考えていて、歯科で相談している」と伝えるだけでも構いません。当院から主治医に相談させていただくこともあります。
血糖を下げる薬やインスリンを、歯の治療のために自分の判断でやめたり、量を変えたりしないでください。手術の日の食事や薬の使い方に迷ったときは、主治医と担当の歯科医師に確かめてから決めましょう。
歯周病があると、インプラントの前に治療が必要ですか?
日本糖尿病学会の「糖尿病診療ガイドライン2024」では、糖尿病のある方の歯周病は、糖尿病のない方に比べて悪化していることが、複数の研究をまとめた解析(メタ解析)で示されていると説明されています。そして日本口腔インプラント学会は、歯周病がある方ではインプラントが長く残る割合が低いことが報告されているとして、歯周病の治療を先に行うことを勧めています。
当院の案内では、手術の前日に、お口の中をきれいにしておくための処置を行います。歯ぐきの状態によっては、インプラントの手術より先に、歯ぐきの治療やお口の清掃に時間をとることがあります。歯ぐきから血が出る、腫れているといったことがあれば、相談のときに伝えてください。
治療の時期や方法は、どのように決めますか?
検査を受けた時点で、手術の日まで決まるとは限りません。血糖の状態やお口の状態によっては、主治医と相談しながら時期を考えることがあります。通院の予定を立てるときは、手術の日だけでなく、手術後の確認や消毒で来院する日も含めて考えておきましょう。
先ほどの歯周病学会のガイドラインには、歯を補う方法として、インプラントのほかに、保険診療でより体への負担が少ない入れ歯やブリッジもあり、選ぶことができると書かれています。ほかの方法と比べて考えたい方は、インプラントとブリッジの違いの記事も参考にしてください。
手術のあとは、どんなことに気をつけますか?
手術のあとの食事や歯みがき、すぐに連絡してほしい症状は、インプラント手術後の過ごし方の記事で説明しています。腫れや痛み、出血が続くなど気になることがあれば、次の予約を待たずに連絡してください。
インプラントが入ったあとも、手入れと定期的な確認が続きます。日本口腔インプラント学会は、インプラントには自分の歯よりも入念な手入れが必要だとしています。先ほどのガイドラインでも、糖尿病のある方ではインプラントの周りの骨がやせる量が増えることが予測されるとしていました。当院では、インプラントの治療後に半年から1年ごとの定期検診で、インプラントの状態や清掃、かみ合わせを確かめています。血糖の管理も、主治医のもとで続けてください。長く使うために続けたいことは、インプラントは何年もつかを説明した記事でも取り上げています。
インプラント治療の費用・期間・回数・リスクは?
インプラント治療の費用は ¥484,000~(税込み) です。必要な処置と総額は、検査・診断のあとにご説明します。公的医療保険の対象ではない自由診療で、骨を増やす処置などが必要な場合は費用が加わります。最終的な金額は、お口の状態を調べ、必要な治療を決めたうえで個別の見積書で確認します。
当院の公開案内では、骨が十分にあるケースの治療期間の目安は、上あごで約3か月、下あごで約2か月です。骨を増やす処置が必要な場合は、さらに1〜3か月程度かかるとしています。いずれもお口の状態や治療内容によって変わります。
簡単なケースの通院回数は、初診を含めて6〜10回前後が目安です。この回数には、消毒などの簡単な処置を含んでいません。そのため、実際に医院へ来る回数が必ずこの範囲に収まるとは限りません。
インプラント治療は手術を伴います。術後に痛み、腫れ、出血が生じることがあります。また、血管や神経の損傷による出血・しびれ、骨の穿孔、上あごの奥歯付近では上顎洞の穿孔や炎症などのリスクがあります。
治療後も、周囲の組織に炎症が起こるインプラント周囲炎や、インプラントの脱落、部品・かぶせ物の破損が生じる可能性があります。検査や治療計画を立てても、こうしたリスクがなくなるわけではありません。
追加処置の料金や、見積書で確かめたい点は、インプラントの費用の記事で説明しています。
羽曳野院でインプラントの相談をするには?
加藤総合歯科・矯正歯科(羽曳野本院)は、大阪府羽曳野市白鳥2-16-34にあり、近鉄古市駅から徒歩3分です。電話は072-957-2686です。インターネットからはWEB初診予約をご利用ください。予約のときに「糖尿病の治療中で、インプラントの相談をしたい」と一言添えていただき、当日はお薬手帳をお持ちください。治療の流れは当院のインプラント治療のご案内でもご覧いただけます。分からないことは、何度でも聞いてください。
糖尿病とインプラントの考え方の出典:日本歯周病学会「糖尿病患者に対する歯周治療ガイドライン 改訂第3版 2023」CQ5。注意が必要な病気・歯周病の治療を先に行うこと・手入れ:日本口腔インプラント学会の「よくある質問」・「インプラントのお手入れ」。糖尿病と歯周病:日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」16章。料金・期間・回数・手術前日の処置・定期検診・主治医との相談:当院のインプラント治療案内(2026年10月5日確認)。
- 監修: 加藤 直之(歯科医師/医療法人えみは会 理事長)|最終確認日: 2026-10-08


