虫歯の医療用語は?う蝕・う歯・カリエスの違いと読み方、C1〜C4の進み方

歯科医院で耳にする「う蝕(うしょく)」「う歯(うし)」「カリエス」は、どれも虫歯のことを表す医療用語です。「う蝕」は歯が溶けて壊れていく病気そのもの、「う歯」は虫歯になった歯を指します。「カリエス」は虫歯を表す外国の医学の言葉(caries)をカタカナで書いたもので、カルテや歯科健診で見る「C」はその頭文字です。C1〜C4 の数字は虫歯の深さを表し、数字が大きいほど歯の奥まで進んでいます。穴があいた虫歯は自然には治らないので、気になる歯があれば早めに歯科医院で確かめてください。
先生のひとこと
「虫歯ってこういう傷と違って自然に治らないんで、ま、よっぽど小さい虫歯じゃなければね。」
理事長 加藤直之のYouTubeの動画(2025年8月22日公開・0分41秒ごろ)より
歯の痛みが落ち着くと治ったと思う方がいる、という話の中で、体にできた傷は自然に治ることと比べた言葉です。
虫歯の医療用語(専門用語)は、何といいますか?
歯医者さんでは虫歯のことを何と言うのか、気になって調べている方もいると思います。虫歯の医学用語は「う蝕(うしょく)」で、医療の場ではこの言い方がふつうです。漢字では「齲蝕」と書き、歯科の資料ではひらがなを交ぜて「う蝕」と書くことが多くあります。厚生労働省の健康情報サイト「e-ヘルスネット」も、「むし歯(う蝕)」と書いています。
虫歯になった歯のことは「う歯(うし)」、漢字では「齲歯」といいます。学校の歯科健診の資料では、虫歯になった歯の本数を「う歯数」と数えています。
虫歯には別名もあり、歯医者さんは「カリエス」と呼ぶこともあります。カルテには「C」と書きます。ふだんの会話では「虫歯」、国や歯科医師会のサイトではひらがなの「むし歯」と書くことが多くあります。虫歯の言い方はいろいろありますが、どれも同じ病気のことです。
「う蝕」と「う歯」と「虫歯」は、何が違いますか?
違いは、病気のことを言うのか、その病気になった歯のことを言うのかです。
- う蝕(うしょく・齲蝕):口の中の細菌が出す酸で、歯が溶けて壊れていく病気そのもの。「う蝕が進む」のように使います。
- う歯(うし・齲歯):う蝕になった歯。「う歯が2本ある」のように、歯を数えるときに使います。
- 虫歯(むし歯):ふだんの言葉で、病気のことにも、虫歯になった歯のことにも使います。
歯科医師から「この歯にう蝕があります」と言われたら、「この歯は虫歯になっています」という意味です。言葉が分からないときは、その場で遠慮なく聞いてください。
歯科で聞く「カリエス」とは、何ですか?
歯科でいうカリエスとは、虫歯のことです。虫歯を表す外国の医学の言葉(caries)をカタカナで書いたもので、カルテに書く「C」はこの言葉の頭文字です。
学校の歯科健診で使う「CO(シーオー)」も同じ言葉から来ています。日本学校歯科医会の資料では、CO は「questionable caries under observation」、つまり「虫歯の疑いがあり、様子をみる歯」の略とされています。
カルテや歯科健診の「CO」「C1〜C4」は、何を表していますか?
歯科医院のカルテなどでは、虫歯の進み具合を「C」と数字で書くことがあります。学校の歯科健診では、治療が必要な虫歯を「C」、様子をみる歯を「CO」と書きます。目安は次のとおりです。
- CO(シーオー・要観察歯):はっきりした穴はまだないものの、歯の表面が白く濁るなど、虫歯の始まりのしるしが見られる歯です。削らずに、歯みがきや食べ方を見直しながら様子をみます。
- C1:虫歯が、歯の表面のかたいエナメル質の中にとどまっている状態です。痛みはほとんどありません。
- C2:虫歯が、エナメル質の内側の象牙質まで進んだ状態です。冷たいものがしみることがありますが、痛みを感じないことも多い段階です。
- C3:虫歯が、歯の中の神経(歯髄)まで届いた状態です。ズキズキと強く痛むことがあり、神経をとる治療が必要になることがあります。
- C4:歯の頭の部分がほとんど崩れ、根だけが残った状態です。神経が死んで痛みを感じなくなっていることもありますが、根の先に膿がたまることがあり、歯を抜かなければならないこともあります。

どの段階かは見た目だけでは分かりにくく、歯と歯の間や詰め物の下の虫歯は、目で見える範囲の外にあることもあります。当院では、初めての方には口の中を見る検査に加えて、レントゲン検査などで歯の状態を確かめています。カルテや健診の紙に気になる記号があれば、その場で聞いてください。
虫歯は、どうしてできるのですか?
歯の表面につくプラーク(歯垢)の中には、ミュータンス菌などの細菌がいます。細菌は、食べ物や飲み物に含まれる糖分を分解して酸を出し、その酸で歯の表面が溶けます。これを「脱灰(だっかい)」といいます。
唾液には、酸を中和し、溶けかけた歯にカルシウムなどを戻して修復する働きがあります。これを「再石灰化」といいます。歯の表面では、脱灰と再石灰化がいつもくり返されていて、甘いものを口にする回数が多いなどで脱灰が勝つ状態が続くと、その部分が崩れて虫歯になります。
e-ヘルスネットでは、虫歯の原因を「歯の質」「細菌」「食べ物(砂糖)」の3つにまとめています。奥歯の溝の奥のように歯ブラシの毛先が届かない場所もあるため、歯みがきだけで虫歯をすべて防げるわけではないことも分かっています。
虫歯は、自然に治りますか?
ごく初期の、まだ穴のあいていない虫歯は、歯の表面が白く濁った状態に見えます。この段階なら、プラークをためないようにしてフッ化物を使うことで、削らずに再石灰化させられることがあります。
一方で、穴があいてしまった虫歯は、自然に元に戻ることはありません。虫歯で崩れた部分は、削って詰め物などで補う治療が必要になります。痛みが一度おさまっても、それは神経が弱っている、あるいは死んでしまっているためのことがあり、治ったわけではありません。痛くなくなった歯の中で起きていることは、虫歯を放置するとどうなるかを説明した記事でくわしくお伝えしています。
虫歯になりやすいのは、どんなところですか?
虫歯になりやすいのは、大人も子どもも、奥歯の咬み合わせの溝、歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目です。どれも歯ブラシが届きにくく、プラークが残りやすい場所です。
大人では、前に治療した詰め物やかぶせ物と歯の境目から、ふたたび虫歯になることがあります(二次う蝕)。歯ぐきが下がって歯の根の表面が出てくると、根の表面はエナメル質より酸に弱いため、そこも虫歯になりやすくなります。こうした虫歯は見えにくく、かなり進むまで痛みが出ないことも多いため、定期的に歯科医院で確かめることが早く見つける近道です。検診の間隔の考え方は、定期検診について説明した記事をご覧ください。
冷たいものがしみるときは、虫歯のほかに知覚過敏のこともあります。見分け方は歯がしみる理由を説明した記事でお伝えしています。
虫歯の治療は、進み方によってどう変わりますか?
治療の方法は、虫歯がどこまで進んでいるかで変わります。当院では、ご自身の歯をできるだけ削らず、抜かず、神経もできるだけ残す方針を大切にしています。
- ごく初期の虫歯:削らずに、フッ化物を使い、歯みがきや間食のとり方を見直して経過をみます。
- 小さな虫歯:虫歯の部分だけを削り、歯の色に近い樹脂(レジン)を詰めます。小さな虫歯なら、1回の治療で終わることが多くあります。
- 大きな虫歯:型をとって、詰め物やかぶせ物を作ってつけます。
- 神経まで届いた虫歯:神経をとり、歯の根の中をきれいにする根の治療(根管治療)をしてから、土台を立ててかぶせ物をします。根の治療の進み方は、歯の神経を抜くと言われたときのことを説明した記事でお伝えしています。
- 根だけが残った虫歯:歯を残せるかを調べ、残せないときは抜歯を考えます。歯を失ったあとに補う方法の比べ方は、インプラントとブリッジの違いを説明した記事にまとめています。
一般的な虫歯の治療は、保険診療で受けられます。詰め物やかぶせ物をセラミックにするなど、見た目や材料を選ぶ治療は自由診療になります。
削って詰めた歯は、元の健康な歯に戻るわけではありません。詰め物の境目からまた虫歯になることもあるため、治療が終わったあとも、歯みがきと定期的な確かめを続けてください。
虫歯を防ぐには、何をすればよいですか?
虫歯の予防は、原因の3つに合わせて考えると分かりやすくなります。
- 歯の質を強くする:フッ化物の入った歯みがき剤を使い、みがいたあとのうがいは軽く1回にします。子どもの奥歯の溝には、溝を埋める「シーラント」という予防の処置もあります。
- 細菌を減らす:歯ブラシで歯の根元をていねいにみがき、歯と歯の間はデンタルフロス(糸ようじ)や歯間ブラシで掃除します。眠っている間は唾液が減るので、寝る前の歯みがきは特に大切です。
- 糖分をとる回数を減らす:おやつや甘い飲み物をだらだらとらず、時間を決めます。
歯みがきの仕方や、フロスと歯間ブラシのどちらが合うかは、口の中の状態によって変わります。自分に合ったやり方は、歯科医院で一度確かめてもらうと安心です。子どもの仕上げみがきとフッ素の使い方は、子どもの仕上げみがきについて説明した記事をご覧ください。
羽曳野院で虫歯を相談するには?
加藤総合歯科・矯正歯科(羽曳野本院)は、大阪府羽曳野市白鳥2-16-34にあり、近鉄古市駅から徒歩3分です。診療時間は、月曜から金曜が9時から17時、土曜が9時から13時で、土曜の午後・日曜・祝日は休診です。
初めての方には、カウンセリングのあと、レントゲン検査や虫歯の検査を行い、図や模型、レントゲンの写真を使って今のお口の状態をご説明します。カルテの記号や治療の言葉で分からないことがあれば、何度でも聞いてください。初めての方はWEB初診予約が利用できます。お電話(072-957-2686)でもお問い合わせいただけます。
虫歯のしくみ・進み方・治療と予防の出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「むし歯の特徴・原因・進行」「むし歯の治療の流れ」「むし歯の予防法(総論)」、日本歯科医師会 テーマパーク8020「むし歯」(予防法・治療法のページを含む)。CO(要観察歯)とう歯数:日本学校歯科医会「よくある質問」「学校歯科健康診断」と「CO写真集」。虫歯になりやすい場所・当院の治療の方針・保険と自由診療・検査:当院のよくある質問と初めての方へ、診療時間・所在地:アクセスのページ(いずれも2026年10月16日確認)。
- 監修: 加藤 直之(歯科医師/医療法人えみは会 理事長)|最終確認日: 2026-10-17


