PG菌とは?歯周病と口臭の関係、検査で分かること・分からないこと

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口臭の原因は、大きく3種類に分かれます。舌の汚れか、歯ぐきか、それとも体の内側か。原因が違えば、対処の仕方も変わります。

このうち「歯ぐき由来」の背景にあるのが歯周病で、その主要な原因菌のひとつが PG菌(ポルフィロモナス・ジンジバリス) です。PG菌とはどんな菌か、歯周病と口臭がなぜ結びつくのか、「歯周病菌の検査」で分かること・分からないことを整理します。

※本記事は、実在の患者さんに基づかない一般的な解説です。実際の診断・治療方針は、診察のうえで判断します。

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口臭の原因は、大きく3種類に分かれます

口臭の主な成分は「揮発性硫黄化合物」と呼ばれるガスで、発生源によって多く出るガスの種類が違うことが知られています(厚生労働省 e-ヘルスネット)。

起源 主なガス 特徴
舌の汚れ(舌苔) 硫化水素 多くみられます。舌表面の細菌が関係します
歯ぐき(歯周病など) メチルメルカプタン 歯ぐきの炎症に関係します
体の内側(消化器など) ジメチルサルファイド 多くはありません

口臭の大部分(80%以上)は口の中に由来するとされています(同前)。自分のにおいは自分では確かめにくいもの。だからこそ、まず”どこから来ているにおいなのか”を切り分けることが出発点になります。

歯周病と口臭が結びつくのはなぜ?

においのもとになる揮発性硫黄化合物は、口の中にすむ嫌気性菌(酸素の少ない環境を好む細菌)が、唾液や食べかすに含まれる硫黄を含んだアミノ酸を分解して作られます。歯周病がある方ではメチルメルカプタンの割合が高くなりやすいとされています(厚生労働省 e-ヘルスネット)。

歯周病になると、歯と歯ぐきのすき間(歯周ポケット)が深くなります。歯ぐき由来のにおいが「歯みがきをしても消えにくい」と言われるのは、においのもとが歯ブラシの届きにくい溝の奥でつくられているためと考えられています。そのままにすると歯を支える組織に影響が及ぶことが知られています(進み方には個人差があります)。

歯周病菌「PG菌」とは

PG菌は、Porphyromonas gingivalis という細菌の略称です。歯周病の主要な原因菌のひとつで、歯ぐき由来の口臭への関与も知られています。こうした細菌は、さきほどの歯周ポケットの中にいます(東北大学〈LIFE〉)。

PG菌はどんな菌か——「やんちゃな子」にたとえると

この菌は、いわば「やんちゃな子」。同じ菌がいても、お口の状態によって、静かにしていることも、活発になることもあると考えられています。

※説明のための例えです。

大切なのは「いる・いない」より「どれくらい活動しているか」

ここが、いちばん誤解されやすいところです。PG菌は、歯周病の症状がはっきり出ていない方のお口からも見つかることがあります。「見つかった=すぐに重い歯周病」ではありません。歯科の側が知りたいのは、その菌がどの程度活動しているかです。

「歯周病菌の検査」で分かること・分からないこと

歯周病に関わる細菌を調べる方法として、遺伝子を調べる検査(リアルタイム-PCR法など)が挙げられており(日本歯科医学会・令和2年3月)、取り入れている歯科医院もあります。ただし検査には、得意なことと、できないことがあります。

検査で分かること・分からないこと

  • 分かること=歯周病に関わる細菌を遺伝子レベルで調べ、どこから手をつけるかの方針を立てる出発点になること
  • 分からないこと=歯周病があっても、においの出方には個人差があり、菌の検査だけで口臭のすべてを説明できるわけではないこと。検査は「どうなるか」を約束するものではなく、いまの状態を知るためのものです

では「どれくらい活動しているか」は、どこで分かるのか

「活動の大きさ」は、菌の検査だけで決まるものではありません。歯周病の検査は、ポケットの深さ・出血の有無・歯の動揺を調べる「歯周基本検査」と、骨の状態をみるエックス線検査が基本とされ、診断と治療計画のために行われます(同前)。出血は、いま歯ぐきに炎症が起きているかどうかの手がかりで、細菌に対する体の反応としてあらわれると考えられています。細菌そのものを調べる検査は、同じ資料で「その他の検査」とされ、基本の検査と組み合わせて用いる位置づけです。

つまり「どれくらい活動しているか」は、基本の検査と合わせて評価するもので、特別な検査から始めなくても、まずは基本の検査から確かめられます

※ここまでは、歯周病菌の検査について一般に知られていることの整理です。どのような検査が必要かは、お口の状態によって異なります。

当院の考え方——まず「どこから」を測ってから

当院では、口臭測定器(オーラルクロマ)でガスの種類とレベルを測定しています。

  • 息を採取するだけの検査です。採取の時間そのものは約1分結果が出るまでが約4分。痛みを伴うことはほとんどありません
  • 費用は 550円(税込) です。これは測定に使うシリンジの物品としてのお支払いで、測定のたびごとにかかります(保険診療の初診料・再診料などは別途かかります)
  • 保険診療を受けたその日に、あわせて口臭測定を受けていただけます

※歯ぐきの検査や治療にかかる費用は内容によって異なり、保険が適用されるものと自由診療になるものがあります。

測ったあとの流れ——次に調べることは、ガスの種類で変わります

測定だけで診断が確定するわけではありません。

歯ぐき由来(メチルメルカプタン)が疑われたときは、先ほどの歯周基本検査で歯ぐきの状態を確かめます。口の渇きが背景にあると考えられるときは、血液検査を行うことがあります。口の渇きは、唾液をつくる唾液腺の炎症や、膠原病といった全身の病気にともなって起こることが知られているためです。血液検査だけで病名が確定するわけではなく、歯科の範囲を超えると考えられるときは、内科などの受診をおすすめし、必要に応じて紹介状をお書きします。

舌など由来(硫化水素)が疑われたときは、舌の表面を綿棒で軽くこすって菌を調べる培養検査を行うことがあります。菌が確認されたときは、その菌に応じたお薬を使った治療を行うことがあります。効果のあらわれ方には個人差があります。

体の内側(ジメチルサルファイド)由来が疑われる場合も、歯科の範囲を超えるため、内科などの受診をおすすめします。

当院では、口臭測定の結果に応じて、歯ぐきの検査・血液検査・舌の培養検査を組み合わせて原因を確かめています。これらはいずれも保険診療の範囲で行うことができます(実施の要否は診察のうえで判断します。適用の範囲は症状により異なる場合があります)。

ご自宅でできること、できないこと

毎日の歯みがきは、歯ぐきの炎症を抑えるうえで大切です。ただしお口の中の細菌をゼロにはできず、歯周ポケットの奥など届きにくい場所もあります。セルフケアで変化を感じない場合は、測って確かめるほうが近道です。

「気にしすぎかどうか」を確かめることにも、意味があります

ある大学病院の統計では、口臭の検査・治療を求めて来院した約1,000名のうち、約1/3は治療の必要な口臭が認められなかったと報告されています(厚生労働省 e-ヘルスネット)。まず数値で確かめたうえで判断できることも、口臭測定の大切な役割です。

まとめ

  • 口臭の原因は、舌・歯ぐき・体の内側の大きく3種類に分かれます
  • 歯ぐき由来の背景にある歯周病の主要な原因菌のひとつが、PG菌です
  • 大切なのは「いる・いない」よりもどれくらい活動しているか。それは歯ぐきの溝の深さや出血の有無といった基本の検査と組み合わせて評価します
  • 測ったあとは、多く出ていたガスに応じて歯ぐきの検査・血液検査・舌の培養検査へ進みます

歯ぐきの状態や口臭が気になる方は、まず検査・ご相談から。

ご予約・お問い合わせ
お電話:072-957-2686
WEB 予約:WEB初診予約はこちら
口臭測定について詳しくは 口臭測定(口臭予防)のご案内 をご覧ください。

この記事の監修・参考情報

監修:医療法人えみは会 理事長 加藤直之(歯科医師)/口腔外科歴20年以上。平成25年8月まで青山病院にて非常勤(歯科口腔外科・ドライマウス・舌痛症外来を担当)

参考情報

  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「口臭の原因・実態」(監修:山賀孝之・松本歯科大学教授/2019年12月18日 最終更新)
    https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-07-001.html
  • 東北大学医療系メディア〈LIFE〉「口臭」(丹田奈緒子・東北大学病院 口腔支持療法科 講師/2023年7月4日 一部改訂)
    https://www.life.med.tohoku.ac.jp/knowledge/4807/
  • 日本歯科医学会「歯周病の治療に関する基本的な考え方」(令和2年3月)
    https://www.jads.jp/assets/pdf/basic/r02/document-200401-1.pdf

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この記事を書いた人

加藤 直之

大阪の羽曳野市にある加藤総合歯科・矯正歯科、加藤です。 当院は、歯医者さんの「痛い・怖い・行きたくない」というイメージをなくし、患者様が悩みを相談できてリラックスした状態で治療ができるそんな医院を目指し運営しております。

資格・所属

NPO法人日本歯科予防協会理事/ISOI インプラント認定医/ドライマウス認定医/日本ドライマウス学会会員/日本抗加齢歯学会会員/医療情報技師認定証/ITIインプラント認定/AQBインプラント認定/ザイブインプラント認定/POIインプラント認定/インプラント学会 所属ブローネマルクインプラント認定/SARGONインプラント認定/審美歯科学会認証