子どもの口臭が気になる? 年齢別に多い原因と、受診の目安
お子さんの口のにおいが、ふと気になったことはありませんか。
結論から申し上げます。子どもの口臭は、時間帯によって強くなったり弱くなったりする、一時的なものであることが少なくありません。 ただし、においがずっと続くときや、ほかに気になる様子があるときは、口の中を確かめてみる価値があります。
※本記事は、実在の患者さんに基づかない一般的な解説です。実際の診断・治療方針は、診察のうえで判断します。
まず知っておきたい、口臭のしくみ
厚生労働省の e-ヘルスネットによると、口臭の大部分(80%以上)は口の中から出るガスが原因とされ、その主な出どころは舌の汚れ(舌苔〔ぜったい〕)と歯ぐきの病気(歯周病)だと報告されています。同じ資料が紹介する一大学病院の統計(口臭の相談で受診した約1,000名・主に大人)では、3分の1は治療の必要な口臭が認められなかったとされています(同「口臭の原因・実態」)。においが気になったからといって、治療の必要な病気があるとはかぎりません。
また、同資料によると、口臭には一日の中での波(日内変動)があり、口を動かす活動から時間がたつほど、においのもとになる物質の濃度が高くなるとされています。眠っている間は口の動きが止まり、夜寝ている間は唾液の分泌も減少します(同「ライフステージ別にみたむし歯の特徴」)。朝におっても、歯みがきや朝ごはんのあとに気にならなくなるようであれば、この波の範囲と考えられます。口の渇きとの関わりは 口が渇くと口臭が気になる? で整理しています。
においのもとが口の中にある点は子どもも同じですが、年齢によって背景は変わります。
年齢別に多いこと
「口臭の原因・実態」では、歯垢・むし歯・歯みがき習慣などの影響はほとんどないとされ、口臭と関連するのは舌の汚れと歯周病だと報告されています。ただし「口臭の治療・予防」は、大きなむし歯を病的口臭の原因に挙げています。監修者(加藤)は、子どもでも、大きなむし歯ができるほど口の中が汚れていれば口臭の原因になるとしています。年齢で変わるのは、においよりもとになりやすい状態のほうです。
赤ちゃん・乳児(0〜1歳ごろ)
飲んだあとのミルクや母乳のにおいが残っていることがあります。
気をつけたいのは、歯が生えてきてからの、寝る前の飲み物と授乳です。e-ヘルスネット「ライフステージ別にみたむし歯の特徴」には、夜寝ている間は唾液の分泌が減少するため、寝る前の甘い飲食物の摂取や授乳はむし歯のリスクを高めると記されています。また、歯が生えたらすぐに、フッ化物配合の歯みがき剤(1000ppm程度)をごく少量つけて使うことが推奨されています。
幼児(1〜6歳ごろ)
同資料によると、生えて間もない歯は石灰化が未成熟で酸に溶かされやすく、硬くなるまでに生えてから2〜4年かかるとされています。歯みがき剤の量は、3〜5歳ではグリーンピース程度が目安とされています。
大きなむし歯が出てくるのが、この時期です。くわしくは 虫歯で口臭は起こる? においだけでは決められない理由 をご覧ください。
学童期(6歳ごろ〜)
自分でみがくようになると、みがき残しが出やすく、むし歯が大きくなるまで気づきにくくなります。同資料では、子どもに発生するむし歯の8割以上が、歯ブラシの届かない奥歯の溝から発生しているという報告が紹介されています。歯みがき剤は、6歳以降は1500ppm程度のものを歯ブラシ全体につけて使うことが推奨されています。
飲み物も同様で、運動や勉強の合間に甘いジュース等を少しずつ長時間にわたり飲むことはむし歯のリスクを高めるため、水やお茶に変えることも重要とされています。飲み物と口臭の関わりは スポーツドリンクで口臭はくさくなる? 糖分・酸と、飲み方で変わること にまとめています。
家庭でできるケア
- 仕上げみがきを続ける — とくに奥歯と、新しく生えてきた歯に気を配ります
- 年齢に応じた量のフッ化物配合歯みがき剤を使う
- 寝る前の飲み物は水やお茶に。少しずつ長く飲み続ける形を避ける
舌の汚れには、注意点があります
口臭のもとの多くは舌の汚れとされますが、e-ヘルスネット「口臭の治療・予防」は舌の清掃について、決して力を入れ過ぎないこと、回数は起床時の一回でよいこと(それ以上は舌の粘膜を傷つけるおそれがあります)、傷や潰瘍があるときは中止することを注意しています。お子さんに限らず、舌を強くこすることは避けてください。
こんなときは、一度確かめてみましょう
- 歯みがきや食事のあとも、においが一日中続いている
- 歯ぐきが赤く腫れている、みがくと血が出る
- 大きなむし歯が見える、歯を痛がる
- 口の中に痛いところがある(口内炎など)
- 鼻づまりや鼻水が長く続いている
なお、本人の自己評価と実際の口臭の有無は相関しないとも報告されています(同「口臭の原因・実態」)。e-ヘルスネットは、自覚がないのに家族からにおいを指摘されたら、一度歯科医院で検査をとすすめています(「口臭の治療・予防」)。保護者の方が気づくことには、意味があります。
歯科では、何をするのか
- 問診 — いつから、どんなときに気になるかをうかがいます
- 口の中を診る・歯ぐきの検査
- 必要に応じてエックス線(レントゲン) — 目で見える範囲は限られるため、必要に応じて撮影します
- 口臭測定 — 当院では、口臭測定器(オーラルクロマ)で、においのもとになるガスの種類とレベルを測定しています
時間と費用の目安です。
- 息を採取するだけの検査です。採取の時間そのものは約1分、結果が出るまでが約4分。痛みを伴うことはほとんどありません
- 費用は 550円(税込) です。これは測定に使うシリンジの物品としてのお支払いで、測定のたびごとにかかります(保険診療の初診料・再診料などは別途かかります)
- 保険診療を受けたその日に、あわせて口臭測定を受けていただけます
※ここでの 550円は、口臭測定に使うシリンジの費用です。歯や歯ぐきの検査・治療にかかる費用は内容によって異なり、保険が適用されるものと自由診療になるものがあります。
なお、口臭測定はすべての方に行う検査ではありませんが、ご希望があればお受けいただけます。年齢による制限はありません。
歯科の範囲を超えると考えられるとき
e-ヘルスネット「口臭の治療・予防」は、口の中以外の原因として副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)を挙げつつ、これらは口臭以外にも何らかの自覚症状が現れることがほとんどなので、あまり考えなくてもよいとも述べています。
鼻やのどが背景と考えられるときの相談先は、一般に耳鼻咽喉科になります。歯科で確かめた結果、歯科の範囲を超えると考えられるときは、内科などの受診をおすすめし、必要に応じて紹介状をお書きします。
体の内側が気になる方は 朝の口臭は腸のせい?、相談先に迷う方は 口臭は何科に行けばいい? もあわせてご覧ください。
大阪・羽曳野で相談先をお探しの方へ
当院(大阪・羽曳野)は小児歯科を標榜しており、お子さんからご年配の方までお越しいただいています。近鉄古市駅から徒歩3分で、お車での来院が多い地域です。専用駐車場(4台)を完備し、クリニック前には提携パーキング(1時間無料サービス)もあります。道順や診療時間は 診療時間・アクセス をご覧ください。
まとめ
- 口臭の大部分は口の中が原因とされ、においには一日の波があります
- 背景は年齢で変わります(乳児期=寝る前の授乳/幼児期=生えて間もない歯/学童期=奥歯のみがき残しと飲み方)
- 舌の清掃には注意点があります。強くこすることは避けてください
- においが一日中続く、歯ぐきが腫れている、鼻づまりが続くときは、一度確かめてみましょう
お子さんの口臭が気になる方、どこに相談すればよいか迷っている方は、まず検査・ご相談から。
ご予約・お問い合わせ
お電話:072-957-2686
WEB 予約:WEB初診予約はこちら
口臭測定について詳しくは 口臭測定(口臭予防)のご案内 をご覧ください。
この記事の監修・参考情報
監修:医療法人えみは会 理事長 加藤直之(歯科医師)/口腔外科歴20年以上。平成25年8月まで青山病院にて非常勤(歯科口腔外科・ドライマウス・舌痛症外来を担当)
参考情報
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「口臭の原因・実態」/「口臭の治療・予防」(監修:山賀孝之・松本歯科大学 歯学部 公衆衛生学講座 教授/2019年12月18日 最終更新)
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-07-001.html
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-07-002.html
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「ライフステージ別にみたむし歯の特徴」(監修:相田潤・東京科学大学 大学院医歯学総合研究科 歯科公衆衛生学分野 教授/2026年2月2日 最終更新)
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-02-003.html


